【岡山弁のいろは】『うったて』は岡山県以外では通用しない?意味や使い方を分かりやすく解説!

わたしは、生まれてからこれまでずっと岡山県で生活してきたので当たり前なのですが、習字などで「筆をグッとするところ」を「うったて」と当たり前のように言っていましたし、周りもそれが当たり前と思っていました。

しかしながら、方言の事を調べる中で、他県では「うったて」という言葉を使わないという事を知って、どういうことやねん!と納得がいってない状態です(怒)

今回は、この岡山弁「うったて」についてご紹介していきたいと思います。

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「うったて」の意味とは?

うったては岡山県や香川県や徳島県で、特に書道の時によく使われる言葉です。

うったてを標準語で表すと「書道の起筆のこと」「最初の取り掛かり」をいいます。

書道において、「起筆」「送筆」「収筆」という3つの基本的な動作があります。

「起筆」・・・筆を紙につけて書き始めること

「送筆」・・・筆を運ぶこと

「収筆」・・・紙から筆を離すときの書き終わりのこと

うったてはこの書道の「起筆」と同じ意味を表します。

書道を小学生の頃などに一度は授業として経験するかと思います。

その際に、岡山県・香川県・徳島県に住んでいる方々は習字の先生から「うったてを大事に書くと上手に見えます」など教えられた人が多いのではないでしょうか。

また、「うったて」には「物事の始め」という意味もあります。例えば、「話のうったて」は、話し始めのことです。

岡山・香川・徳島では、多くの場合、「うったて」が書道用語、標準語だと認識されています。だから、進学や就職などで初めて県外に出たときには、非常に驚くそうですよ。

「うったて」の由来は?

色々と調べてこれといったわかりやすい情報はみつかりませんでしたが、下の部分が役に立つと思い引用させて頂きました。エッセイを読んでみましたが、内容が難しくて理解に苦しみました(泣)

「うったて」は古くは「出陣」をも意味したという。「立つ」という語はもともと「出立する(四段)/させる(下二)」を時として表した。それが「うち」という接頭辞を伴って特化したものと考えればよいのだろう。

ウッタテとは、「ウツ(鋒を開く)+タテル(起こす→突き返す=爪先立ち)」と見て起筆部における二つの動作についての用語であったのだろうと仮定し、単に「はじめ」の一動作であるよりは、二動作を絶妙に言い表した岡山県ならではの書写・書道教育上、効果的な用語であると考えておく。

引用:ウッタテ考 その2|星野 佳之|日文エッセイ131
引用:ウッタテ考|佐野 榮輝|日文エッセイ27

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「うったて」の使い方の例

「起筆・物事の始め」を表す方言である「うったて」は、どんなシチュエーションの時に使うのでしょうか。いくつか例文を挙げて「うったて」の使い方を紹介します。日常会話でもよく使われる方言なので、覚えておけば岡山県民と話が通じること間違いなしです(笑)

日常会話

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「この試合はうったてが肝心じゃけーな!気合い入れていくんで!」

 
選手A
この試合はうったてが肝心じゃけーな!気合い入れていくんで!
(この最初が肝心だからな!気合い入れていくんだぞ!)
 
選手B
そうじゃのう!そんなら今日は勝って祝杯じゃな!
(そうだな!それなら今日は勝って祝杯だな!)

習字の時

「この漢字は、うったてを気を付けると綺麗に書けるんじゃ!」

 
ぽんきち先生
この漢字は、うったてを気を付けると綺麗に書けるんじゃ!
(この漢字は、起筆を気を付けると綺麗に書けるよ!)
 
よっぽん
先生、うったてのやり方がわからんけー、手本を見せて欲しいんじゃけど!
(先生、起筆のやり方がわからないから、手本を見せてほしいんだけど!)

まとめ

今回は、色々な意味で注目されている岡山弁の中の「うったて」をご紹介しました。

時代が経つとともに、方言を使わなくなってきている今日この頃。そんな中でも、この「うったて」は今でも頻繁に使われており、子供たちに聞いてもやっぱり習字の時は「うったて」を使うと言っていました。

しかしながら、「ものごとの始め」としての意味では、あまり使わなくなってきているかもしれません。

わたしも「うったて」は全国用語だとこの記事を書くまでは思っていたので、岡山出身の人に聞けば必ず教えてくれるはず!

是非とも聞いてみてくださいね!

その他の岡山弁の記事についても記事を書いているので良かったら読んでみてくださいね。

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